公認会計士がやる!株主総会レポート

公認会計士による新興株の株主総会出席レポート

第1回 3565アセンテック株主総会レポート2018.4.25

 アセンテックの株主総会に行ってきました。アセンテックは2017年4月に東証マザーズに公開した仮想デスクトップのソリューション企業です。

 株主総会開催場所はJR秋葉原駅からすぐの富士ソフトアキバプラザビルでした。50坪ほどの会議室で開催され、40名弱の株主が参加していました。2354名の株主がいる割には少ないなーという印象でした。外国人の方もいました。机付きの席が27席設けられていたので資料を開けるには便利でした。13時に始まり、14時5分に終わりました。

 IT業界であり、HPも比較的華やかな感じであることから、もっと派手な感じの会社かと思いましたが、役員の方は皆さん非常に堅くまじめな雰囲気の方ばかりでした。外部株主を招いての初めての株主総会ということもあり、緊張されていたことでしょう。佐藤社長が議長となり、全ての議事進行が行われました。

 最初に事業の説明や成長可能性に関する解説がありました。やはりすごいと思ったのは海外テクノロジーベンダーとのアライアンスぶりでした。2018年1月期もNVIDIA、HP、CUATUMといった名だたる企業との提携に成功しています。HP(ヒューレットパッカード)では最上位のパートナーとしての扱いを受けており、NVIDIAとも本格的に協業は始まっているとのことでした。

 株主からは、①大手ベンダーとのすみ分け、②社員の労働環境、③離職率・生産性等の質問がありました。離職率はIT業界9%に対して、4%ほどに抑えられている、36協定は厳格に守っており、売上は伸びているが残業は減っている、働き方改革のリーディングカンパニーを目指す、とのことでした。また、筆頭株主になっている方は役員でもなく、誰か?という質問もありました。通常なら答えないことも可能かと思いましたが、創業のころからエンジェルとして長期投資していただいている方であるということで、親切に説明されていました。

 私は、事業領域や取引先は素晴らしいが、ビジネスモデルに疑問がありました。というのも、売上高は2017年1月期3275百万円・2018年1月期4326百万円・2019年1月期計画4600百万円と伸びていますが、一方で売上総利益は2017年1月期636百万円・2018年1月期698百万円・2019年1月期計画750百万円と伸びがかなり抑えられているからです。売上総利益こそが会社内部に残る「本当の売上高」というべきものであり、ここが伸びてこないと業績面で本当に成長軌道に乗ったとは言えません。原因はいまだ商品の仕入販売というビジネスへの依存度が高く、粗利率の高いサービス売上や継続課金収入の売上がまだまだ少ないからです。そこで私からは、これら利益率の高いサービス売上や継続課金収入が本格的に伸びてくる時期はいつからなのか?という質問をしました。社長はいつからかという時期については明言されませんでしたが、売上高に占める割合を20%に早く持っていきたいとのことでした(2018年1月期13%)。株価が厳しい状況なので早くそこまで持っていっていただきたいですが、時間は少しかかりそうです。しかし着実に手は打っているという感じでしたので、長期保有で成長性を見守りたいという気持ちになりました。海外ベンダーはもとより、セコムや生命保険会社等これからも取引先の拡大を期待せずにはいられません。

 最後に、おみやげはニューオータニのリーフパイ12枚入りでした。めちゃくちゃ美味しかったです。こんなに美味しいリーフパイがあったのかと大阪人の私は驚きました。

 以上アセンテック株主総会レポートでした。